Mercedes Benz S212 Eクラスワゴンのオーディオ作業を施工させていただきました。
W212 系は非常に慣れているお車ですのでお任せください!まずはインナーバッフルの制作からです。
メルセデスやVW、ポルシェなどの良く作業させていただく車種は採寸したベースやデータを持っておりますので、取付させていただくスピーカーに内径を合わせるだけで切り出しはすぐに完了します。長く使用していただけるように防水対策も兼ねてしっかり下地塗装を行います。もう木材がこれ以上水分を吸えないと悲鳴を上げるまで何工程も下地塗料をしみ込ませます。その後、内側部分はボディ面と同じくらいツルツルになる様に数種類のヤスリを使用して磨き上げます。そうすることで空気がひっかからなくなり抵抗を限りなく少なく抑えることが可能になります。
インナーバッフルを乾燥させている間にプロセッサーアンプのベースを制作します。W212系はセダンとワゴンでトランクの中州部分の深さが異なりまして、セダンですとプロセッサーやアンプの高さギリギリくらいしかないのですが、ワゴンですと結構な余裕があります。角を落としてある理由はこの後生地を貼って仕上げるのですが裏側もそのまま貼ると生地の分だけ高さが出てしまうので生地の厚さ分木材も落としてあげるとキレイな仕上がりになるんです。
たった数ミリのことですし、正直これをやったからといって音質に影響は無くしかも最終的には見えなくなってしまう部分なのであまり意味もないかもしれませんがそういう細かな部分の積み重ねがオーディオには至極重要と考え作業しております。
ボードが完成しましたので、プロセッサーアンプを借り設置して配線作業のパートを進めていきます。今回もお選びいただきましたのは抜の群なコストパフォーマンスを誇る MATCH PP-86DSP になります。今回も付属のメインハーネスを根元の端子から差し替えてクリーンでダイレクトな接続をさせていただきました。まずは元々の状態です。
こちらのDSPは本来欧州車のコネクターに割り込ませることで加工しないでもDSPが追加できることがウリでございます。その為にカプラーオンでコネクティングしない場合は、このハーネスのケーブルを1本1本カットしてギボシにしたり、スプライスやハンダで新たに接続しなおす必要があります。そうすると接点が増えてしまうんですよね。
当店といたしましては、オーディオ機器、特にアンプからスピーカー間に関しましてはカットされてギボシ等で接続される状態の接点をなるべく減らしできれば間の接点なしでアンプとスピーカーはダイレクトに繋げたいと思っておりますので、このような細かな部分を重要視しております。
秋葉原を歩き回って、同じ形状の端子を見つけてきまして新設するスピーカーケーブルに固定します。ケーブルの根本は収縮チューブで処理をします。この際も1つ1つの収縮チューブの長さを測ってカットしてます。もちろんケーブルも剥く長さを測ってカットしてます、長さを揃える為です。
この作業は結構時間がかかるのですが、精神衛生上とても気持ちの良い作業なのでつらくても頑張れちゃうパートです。
ケーブルの入れ替え完了した状態です。やっぱり汎用の電線ではなく少しでも拘ったオーディオケーブルを基盤と直結している端子の根元からスピーカーまで一切の接点なく接続するというのは回路図で見ても音質にしても大変気持ちが良いものです。
MATCH PP-86DSP はこのように固定いたしました。
この部分は純正のパネルを戻すと開かなくなってしまう場所なのでもう見えなくなってしまう場所になります。そういった部分のスペースを有効に使えるスペースであるということです。
その後はトランクから車内を通りドア内へ加工しつつ通線させます。
床部分に固定できない箇所はスポンジテープでグルグル巻いて、弱めのテンションで他のケーブルなどに固定させます。きつく縛ってしまうと抵抗がうまれてしまうのであくまで固定できていればいいわけでして、きつくは固定しません。
そしてメインのスピーカーの固定です。今回お選びいただきましたスピーカーはBLAM (ブラム) というフランスメーカーの ミッドシップ S165.85A というパッシブレスのアクティブモデルになります。プロセッサーと同時作業ですのでパッシブは不要になります、そういった方は各メーカー共にパッシブレスのアクティブモデルがオススメです。パッシブが無い分少しお安いですし、DSPとパッシブネットワークは同じ仕事をするので(次元が異なりますが)両方同時に使えなくないですがあまり意味はありません。
これがまた良いスピーカーなんです!!!!もちろん各ボルトナットの固定には
緩み防止剤を塗ってあります。これも長く不具合なく折角インストールさせていただいたオーディオを楽しんでいただく為です。外す時大変なんですけどね
ツィーターも取り付けてドアパネルを戻して施工は完了です。施工後も見た目は変わりません。ですが出てくる音は格段にレベルアップしています。
パソコンでサウンドセッティングを行い完了となります。もちろん使い方はボリュームも曲選びもなにもかも純正のままですので今までと変わりません。お好きなボリュームでお好きな音楽をゴキゲンにお楽しみください!
本日の一曲
Bill Evans / Danny Boy