カーオーディオで割と後回しにされてしまいがちな電源関連のブラッシュアップですが、最初にスピーカーを交換して、次にアンプをつけて、更にプロセッサーを付けて、、、などの順序があるので後回しでも問題ないのですが、カーオーディオの機器、ヘッドユニットやアンプ、プロセッサー、(純正ナビもそうですが) これらの機器はスイッチ回路と別に必ずバッテリーからの電気を主電源として動きます。
バッテリーからの電源供給を受けるという事は常にバッテリーの状態に左右されるということです。バッテリーはエンジンの動きとベルトで連動して発電するオルタネーターという発電機から電気を供給されますが、近年の充電制御車やアイドリングストップ機能付き車はバッテリーの電圧が既定の数値に達している場合、エンジンをよりズムーズに動かす為、オルタネーターでの発電をストップしたり、オルタネーターからバッテリーへの電気の供給をストップしてしまいます。その場合、各電装機器にはバッテリーに貯まった分から供給されることになり、もちろん動作できる程の電気は供給されますが、オーディオ機器がベストパフォーマンスを発揮できる程の電気供給には至りません。そこで、レギュレーターやキャパシターという機器を導入し各オーディオ機器に安定して高い電圧と電流を供給することで各オーディオ機器のポテンシャルを引き出す必要があります。例えばですが、アンプのパフォーマンスが上がるという事は、スピーカーのパフォーマンスも向上するという事に直結しています。スピーカーを動かしているのはアンプですから当然ですね。そこそこのシステムを既に構築しているけど、イマイチ音にパンチが無い、マリハリがない、パワーが無いというお悩みを抱えている場合には、電源部の整備で解決できるパターンが多いです。
今回は既にある程度のオーディオシステムを取付させていただいているお客様の GOLF7R に、audio-technica のレギュレーターと BRAX キャパシターを取付させていただきました。
まずはaudio-technica AT-RX100 という電圧を安定させる機器でございます。何と言ってもこのレギュレーターを取付けることで解決できる問題は、そのまんまですが電圧を安定させることができる点です。
写真でご説明させていただきます。下の写真はバッテリーのプラス端子から AT-RX100 に接続した端子部分の電圧です。もちろんバッテリーとほぼ直接つながってますのでほぼ同じ電圧になっています。テスターに 12.57V という表示がありますがこの電圧がバッテリーからの供給電圧になります。これより少し高くなって 12.7V付近まで行くことはありますが状態によっては11V台まで下がることもあります。
次に、AT-RX100 のアウトプット側=アンプへ供給される側の電圧です。
テスターで 14.73V と表示されていますね。これがレギュレーターの機能でして、入力された電圧より高い電圧を設定して常時供給できる、という機能になります。
ARCAUDIO のアンプにしっかり 14.72V 供給されているのがわかります。バッテリーからの電源供給のままですと 12.57V で レギュレーター後は 14.72V 、その差 2.1V です、パーセンテージでは約10%の向上です。サッカーを13人 VS 11人で戦うようなもので、そりゃ強いですよね!ここまでしっかり高い電圧でアンプを駆動できると高いパフォーマンスを発揮してくれます。簡単に言えばお使いのアンプのグレードが1ランク高くなったような感覚になります。音も作業前より分厚くてエネルギーがあって、輪郭もシャキッとしてより明確に音楽を再現してくれるようになりました。
今回はより良い電源環境を整える為に BRAX のキャパシターも取付させていただきました。こちらはレギュレーターとは異なり電気を一時的に蓄える貯水槽の役割を担う物で、大きい出力が入った瞬間は大きく電圧も降下してしまうので、そのタイミングで電気を補ってくれる役割を果たします。大きい音量やドカンッという低域を再生された際などになくてはならないアイテムになります。
今回は高い電圧を安定して供給するレギュレーターと一時的な電圧不足を補うキャパシターを同時に取付させていただいた内容となります。
もちろん作業後はガラッと音が変わりますので音の再セッティングが必要になります。最適化しゴキゲンなサウンドでご帰宅いただきます。電源まわりの整備は高価なアンプなどにのみ必要な訳ではなくエントリーモデルやお安いアンプでも効果を発揮してくれますので、どのようなシステムにおいても一定の向上が見込めます。せっかくカーオーディオをカスタムされている方には本来全員に行って頂きたい内容の作業でございます。
本日の一曲
Crazy Ken Band / 門松