以前、スピーカー交換とプロセッサーの取付をさせていただきました AUDI Q2 のバージョンアップ作業をさせていただきました。今回施工させていただく内容はインナーバッフル制作とドアデッドニング施工とパワードサブウーファーの取付作業になります。
既にスピーカーは morel MAXIMUS 602 に交換していただいておりますので。更にスピーカーの性能を引き出すために取付環境の見直しという事でインナーバッフルの作り直しとアルミバッフルも追加させていただきます。ベースはバーチ材で中央がMDFスターウッド、上にアルミバッフルという組み合わせになります。異なる素材を組み合わせることでスピーカーにとってネガティブな要因を自然な形で無くす狙いがあります。スピーカー裏側の背圧処理の為に工夫を凝らしたインナーバッフルの形状となっております。
下地塗装を行いツルツルになるまで磨きます。その後防水塗装を行います。
ドアのデッドニングになります。AUDI のドアって個人的に好きなんです。このQ2 という車種は GOLF7 や A3 と同じ MQBプラットフォームとなっており共通部分が多いのですがVW とAUDI だとドア形状が大きく異なります。ほとんどデモカーの 8V S3 と同じような形状でしたのでそのデータを元にツボを抑えたデッドニングをさせていただきました。写真には無いですがドア内張りにもデッドニングをさせていただきました。鉄板側も内貼り側も、スピーカーが動くことによって振動が伝わり共振します。なんとなくご想像いただけると思うのですが、鉄を叩くとしばらくブィィィィィンと共振しますよね。それがドアの中で起きているのです。薄い鉄板の共振は長く続きますから余計に音を濁すネガティブな要因となってしまいます。まずは鉄板の共振を止める事がデッドニングの目的の1つです。そうなるとデッドニング材を貼れば貼る程良いのでは?となってしまうと思いますが、もちろんある程度の量をしっかり圧着させて貼る必要はありますが、当店では貼り過ぎると音が死んでしまうという考えから、必要最低限の量で完結させることを目標としております。
スピーカーを取付けた状態です。スピーカーの淵にはオーディオテクニカのウェーブ状のスポンジテープを貼ります。兎にも角にもスポーカーによって発生した音が室内ではなく、ドア内貼りとの隙間からドアの中に入ってしまうことが音を濁らせる原因になりますので、スポンジテープによってドア内貼りとの隙間を無くすように施工いたします。インナーバッフルの固定も、スピーカーの振動をなるべく鉄板に伝えないように工夫した固定方法となっております。細かな拘りの1つ1つが最終的な音質に結果として現れますので気が抜けません。
デッドニングを行ったドア内貼りを戻してドアは完成です。ドア内貼りも余計な振動による共振をなるべく無くすようにポイントポイントで施行いたしました。
パワードサブウーファーはミューディメンションの BLACK BOX を取付させていただきました。コンパクトなパワードサブウーファーの中では1番鳴りっぷりの良いスピーカーだと思います。どうしてもパワードサブウーファーでは超ローエンドまでの再生は難しいですが、それでもあると無いのでは大違いです。このパワードがあるだけでガラッと音質は変わってきます。
その他の作業はルームチューニングを少し行わせていただきました。ついていないセンタースピーカーの部分は音の回り込みを防ぐ為に埋めたりなんだりとできることをできる範囲で行わせていただきました。
アンプ内蔵デジタルプロセッサー MATCH M5DSP は以前取付させていただいておりましたので今回はソフトウェアのバージョンアップをし再セッティングさせていただきました。
オーナー様のシートポジションを把握しその位置で最適な音質になるようにサウンドセッティングを行います。
スピーカーもプロセッサーも変わっていませんが、デッドニングとパワードサブウーファーの導入により確実に音質がレベルアップいたしました。
更に良くなった音質で楽しんでいただければ幸いです。ありがとうございました。
本日の一曲
CHET BAKER & PAUL DESMOND / Together